主人公は、一国の王子様。
隣国のお姫様との縁談もうまくいき、順風満帆な人生を送っていた。
ところがそんな矢先、突如災いが降りかかる。
なんと、国王殺しの濡れ衣を着せられてしまうのだ!
(国王とは、王子の国の王。つまり、実の父親。
なお、黒幕は第二王子。王子の弟である)
王子は無実を訴えたが、誰も聞き入れようとはしない。
結局王子は、王殺し・父殺しの罪で火あぶりの刑に処される。
十字架に縛り付けられ炎に身を包まれる中、王子は願った。「神よ!いや悪魔でもいい!誰か、私に力を!」
その思いが通じたのか、王子はある館の前に飛ばされる。
館の名は「刻命館」。遠い過去に封印された魔神の館。
王子はこの館の主となり、自分を陥れた者への復讐を誓う。
自らの清らかな魂を、犠牲にして・・・
知る人ぞ知る、元祖トラップゲーム。
この頃はまだアクションではなく、シミュレーションだった。
プレイヤーは、刻命館の主こと復讐鬼になった王子様。
館に封印された魔神を復活させ復讐を完遂するため、
館への侵入者を次々と仕留め、贄として捧げることになる。
はて、その侵入者は一体どうやって仕留めるのか。
普通は、王子様こと主様が直接手を下して・・・
と考えるかもしれないが、それはできない。
なぜなら、王子様は攻撃手段を持っていないからだ。
そこで登場するのが、このゲームの肝である「トラップ」。
館のいたる所に罠を仕掛け、侵入者をはめていくのだ。
なお、王子様は、トラップに侵入者を呼び寄せるための
囮として活躍することになる。館の主なのに・・・
その他にも、ユニークかつ斬新なシステムが用意されている。
まず、「館の増改築」。
お金を使って、刻命館を広くできるのだ。
(説明書には「生きている館」と記されている。
ということは、きっと成長をしているのだろう。
だったらなぜ金を要求するのかと小一時間以下略)
ただ、あんまり広くしすぎると、迷ってしまうので注意。
次に、「トラップの開発」。
お金を使って、旧式のトラップをランクアップさせたり、
新しいトラップの開発をすることができるのだ。
(だから、なぜ金を要求するのかと小一時間以下略)
初めから持っているトラップは、成功率も低く、
効果があまり期待できないものばかり。
新しいトラップを作って、侵入者との鬼ごっこを堪能しよう。
(もちろん、飽きたら捕獲or殺害)
次はこのゲームのもう一つの肝、「モンスター合成」。
なんと、侵入者を生贄にしてモンスターを作り出せるのだ!
(この時は金を要求しない。何だかなぁ・・)
しかも、作り出したモンスターを利用すれば、
トラップなしでも侵入者と対することができる!
さらに、経験をつむことでクラスチェンジしていく!
トラップ以上の使い勝手と面白さがあるのだが、
惜しむらくはモンスターの種類が少ないこと。
やはり、主役はトラップということか。無念。
最後は、「仮面」。地味だが頼れる奴。
仮面より発せられる叫びによって、侵入者の興味を引いたり、
その逆に、ビビらせて遠ざけたりできるのだ。
あまりに地味で忘れがちだが、なかなか面白い。
普通の鬼ごっこに飽きたら使ってみよう。
なお、後者の二つは刻命館だけのシステム。
後二作にはないので注意。元祖万歳。
ロード時間が鬼のように長いのでテンポは悪いが、
そこを除けば十分楽しめる良作(ただし、人による)。
なお、心臓に持病をお持ちの方や、気の弱い方は
絶対やらないでください。ゲーム画面を見るのもダメです。
物凄く人を選ぶゲームなので、絶対に守ってください!
漆黒の雰囲気に彩られた、血塗られた復讐劇。
己の欲望のために館を訪れる愚かな人々。
その復讐劇の裏で蠢く、数々の思惑。
果たして、王子の願いは叶えられるのだろうか・・・ |